一方、漢字かな混じりのデータから点字のデータを直接作る自動点訳ソフトの研究は、1973年1月に長谷川貞夫が東大点友会の辻畑好秀とともに行った紙テープからの点字印刷にその源泉を見ることができます。
ところが、実際にそれが商品化されるまでには、16年の歳月を待たなければなりませんでした。1989年、言語工学研究所は、大量の点訳辞書を装備した「がってんだ」を発表し、漢字かな混じり文からの点字への変換が実用化しました。また、同年、福祉システム研究会から「80点」がフリーウェアとして発表されています。
静岡県立大学国際関係学部教授・石川准は、自らの研究活動の効率を高めるため、漢字かな混じり文のテキストを正確な点字に変換するソフトを開発し、1991年9月にアメディアがライセンスを受けて「EXTRA」の名で発売します。
このソフトは、英語の2級略字表記にも対応しており、この分野においても、技術的に高いレベルでの競争状態が実現しました。
これらのソフトは、
(1)漢字を含む文字列に正しい「読み」をふる、
(2)「かな使い」を点字の規則に従って変換する、
(3)点字の規則に従って「わかち書き」を行う、
の3種類の作業を行います。
1993年9月に発売された「EXTRA Ver.2」では、地名や人名なども含む変換効率が大幅に向上しました。
1995年9月に発売された「EXTRA Ver.3」では、変換速度がこれまでよりも大幅に向上しました。
そして、1998年9月にWindows版のVer.1が発売となって、その後も2001年にVer.2、2003年にVer.3、2005年にVer4と、着実にバージョンアップされています。
これらの自動点訳ソフトは、いわゆる機械翻訳ソフトと同じような性格を持っており、点字を知らない人でも、手軽に点字資料が作成できるという利点があります。
ただし、翻訳と同じように、100パーセント完璧な点訳とはなりませんので、図書館蔵書の作成など、完璧さを要求される場面においては、点訳ソフトによる校正という手順を踏む必要があります。
むしろ、一般学校で学ぶ盲生徒やその関係者、一般企業で働く視覚障害者やその同僚などによって、すぐに点字資料を作成する必要がある場合に利用されており、視覚障害者のノーマライゼーションを促進するソフトになっています。
ワードやPDFも即点字に、自動変換機能付き点字編集のEXTRA