「ばいきんまん、とんでっちゃったーい!」
音声ガイドもここまできたかと、嬉しいやらおかしいやら楽しいやらです。
なんと、この4月から、あの幼児たちのヒーローが活躍するアニメ
「それゆけ!アンパンマン」に副音声ガイドが付くようになったのです。
ところが、肝心の視覚障害者にはこの情報は伝わっておらず、
私も4月のとある金曜日の夕方たまたま自宅にいて、
偶然観て、びっくらこいたのでした。
これほど音声ガイドにたずさわっているのに、まったく情報がなかったとは驚きでした。
そのガイドなのですが、これまでのTVドラマや映画や演劇などの
副音声・音声ガイドの常識を覆した、子供向きならではのものすごいガイドなのです。
曰く、「アンパンマン、ばいきんまんを掴んで、投げたー!ばいきんまん、
おそらの向こうに飛んでっちゃったーい!」
おなじみ石丸博也さんが、パワー全開ハイテンションで、
ご本人も楽しんでおられるに違いない名調子を聞かせてくれるのです。
これはもう、子供たちは大いに楽しむことでしょう。
というか、私自身が本当に楽しくなりました。
ときおり音声ガイド作りの講習会の講師をしている私は、
「ガイドナレーションは、作品の雰囲気は大事にしたほうがいいけど、
なるべく冷静に」などと言っているのですが、正に「目から鱗」でした。
物語の中に入り込み、登場キャラクターの一員のような顔(声?)で、
狂言回し的な役割を担っているようなこのガイドを指示した担当スタッフと、
そのガイド原稿を作ったスタッフ、そしてそれを十二分に生かす
ナレーションができる石丸さんには、本当に頭の下がる想いです。
少し前に、杉並区の高校で「ドラえもん」のあるお話を教材にして
ガイド原稿作りの指導をしたことがありましたが、
いかに既成概念に捕らわれていたかと、反省しきりでした。
(それでも、「でれでれするのび太」「更にでれでれするのび太」
「のび太、でれでれマックス」というガイドを作った生徒には、
思わず拍手を送ってしまったりしてましたが。)
日本語字幕付きで聴覚障害者の方に配慮した番組に比べて、
まだまだ数が少ない副音声ガイド付きの視覚障害者対応番組ですが、
ほんの少しずつ増えてはきているようです。
各局地デジ対応での副音声ガイドを始めているようですが、
2011年の地デジ完全運用に向けて、より多くのジャンルの、
より多くの番組に副音声ガイドが付くようになればと願っています。
また、そのガイド付き番組の情報も視覚障害当事者にストレートに届くよう、
新聞の番組欄で表示するだけではなく、CM枠の番組宣伝の折りに音声で情報を提供するなどして、
伝える工夫をしていただきたいものです。
今回の「アンパンマン」も、「目の見えないお友達も副音声で一緒に楽しもうね」などと、
アンパンマンの声の戸田恵子さんに言ってもらうなどできていたら、
どんなに良かっただろうと思ってしまいました。
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