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春うらら
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そこのけそこのけ、ベビーカーが通る!

 かわいらしい赤ちゃんを乗せたベビーカーを押して、楽しく街を歩くお母さん達
が、以前より多く見うけられるように思います。
 微笑ましく思うこともあるのですが、なぜか最近、「あれれ?」と思うことも多々
あります。
 ある日、新宿駅の点字ブロックの上を一人で歩いていたとき、何かにぶつかりそ
うになったので、「ごめんなさい」と言ったら、「いえ、ベビーカーですので」と
言う意味不明な答え。普通「いえ、」の後には、「どういたしまして。」とか「大
丈夫です」と続くと思うんですが、「ベビーカーですので」って、いったい何だっ
たんでしょう。しかも、ものすごい怖い声で言われたのです。でも、あきらかに、
みんなが普通に通る場所に斜めに置いて止まっていたので、非は私の方にはなかっ
たと思われます。けれど、ちょいと気弱な私、驚き呆れながらも、迂回して通りす
ぎてしまいました。
 また、これは晴眼物の友人から聞いた話ですが、エレベーターに載りこもうとし
たとき、横合いから「おい、子供を先に乗せてやれよ!」と言う威圧的な声がかかっ
たのだそうです。ふと後方を見ると、ベビーカー。そのまま直に乗れば、もたつか
ず、ベビーカーの邪魔にもならなかったはずだったけれど、心優しい彼女は入り口
を空けてあげて、先に伸せてげたのだそうです。ところが、エレベーターを降りて
歩き出したとき、その威圧的な声を発した男が、ベビーカーを押している女性と夫
婦だったらしいことが判明。ようするに、横合いからのおせっかいどころか、エゴ
イスティックな主張に過ぎなかったと言うわけです。
 件の友人曰く、「最近、ベビーカーを押しているお母さん達のマナー、悪すぎ。」
とのこと。私も、そう言われてみればと思い当たる節がちらほらあったので、一緒
に憤慨していました。
 でも、やはり十羽一絡げは好きな考え方ではないので、良いベビーカーママに遭
遇してみたいと思っていたら、先日、ラッキーにも遭遇することができました。
 引越ししたばかりの街中、あまりあまり地理もわからない私は、道を一本間違え
てしまい、スーパーに行くはずだったのに、コンビニの入り口でおたおたしてまし
た。すると、「お困りですか?」と声をかけてくれる女性が現れました。ベビーカー
を押した若い女性です。私が事情を話すと、快くスーパーまで連れて行ってくれま
した。しかも、その人には連れのお友達がいて、彼女の方は、バスの時間を気にし
ているようだったのですが、「バスは別なルートもあるから」などと言って、時間
を割いてくれたのです。
 気になっていたベビーカーママの中にもこんな素敵な人がいたのかと嬉しくなり、
やはり十羽一絡げの物の見方を否定できてほっとしました。
 とは言え、傾向としては「そこのけ、そこのけ、ベビーカーが通る!」的な人が
多いようで、何か彼女達に気づいてほしいと願ってしまう今日この頃なのですが。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:40